特段何の変哲も無い日常。ここに掲載する写真は、最も僕の身近にありふれてる時間であり、それを極限まで曖昧に切り取ったものになると思う。例えば「今」という時間を 1993年製のフィルムで撮ってみる。そうすると時間が混ざり合ってあべこべになる。色もピントも曖昧。でもそれで良いと思う。デジタルには到底出せない味がある。フィルムをケースから出した時の特有の匂い、質感を感じながら撮る。現像が上がってくるまで「撮れてるかどうか」は神のみぞ知る領域。スキャ ンすれば埃っぽい。仕事時の写真と比べると真逆の撮り方がここにあるかと思う。とにかく全てがアバウトな、ダークサイドビジョンでもある。直接的に光が当たらない。でも実は、そこにはわずかに漏れて入り込む、地球上で最も優しくて美しい光がある。ここは薄暗い場所だから、よく目を凝らし、心を開いておかないと何にも見えないんだ。

All shot by Analogs/ Bronica S2,Nikon F3and F4